【独学で挑戦するポルトガル語検定 Celpe-Bras】 筆記試験のここが難しい！

Celpe-Bras 筆記試験はなにが違うの？

筆記試験と聞くとどんな問題が頭に浮かびますか？きっと「この動詞をふさわしい形に変化させなさい」、「この空欄に入る単語を選びなさい」などの問題と、記述式の問題が組み合わされたような試験問題を思い浮かべられたのではないでしょうか？Celpe-Brasの筆記試験は全て記述式、作文する問題です。はっきり言ってめちゃくちゃ難しいです。しっかり対策をしてないと時間が足りなくなります。そもそも日本語でも作文って慣れてないと大変ですよね。では、どんな問題が出題されているのか、具体的に見ていきましょう。

Celpe-Bras 筆記試験は4部構成

筆記試験では4つの課題が出題されます。制限時間はトータルで3時間です。

課題１：ビデオを視聴してから、指示に沿って文章を書く（聞いて理解する能力、映像を見て理解する能力、文章を作る能力が試される）

課題２：音声を聞いてから、指示に沿って文章を書く（聞いて理解する能力、文章を作る能力が試される）

課題３：テキストを読んでから、指示に沿って文章を書く（読解力と文章を作る能力が試される）

課題４：テキストを読んでから、指示に沿って文章を書く（読解力と文章を作る能力が試される）

課題１はどうして時間が30分になっているの？

表にあるように課題1が30分、課題２から４で2時間30分の合計3時間が持ち時間です。

しかし、これは課題１は絶対に30分以内で終わらせないといけないという意味ではないようです。

わたしが受験したときは試験官のブラジル人の先生がポルトガル語でこんな説明をしていました。

「試験が始まったらまず課題1のビデオが放映されますよー。課題1の作文が終わっていてもいなくても、30分後になったら課題２の音声が流されますよー。あとは3時間の中で自分で時間をやりくりしてくださいね。」

問題用紙には Tarefa1 とTarefa２に Anotações のページが挿入されています。親切ですね。ビデオや音声を視聴しながら、そのページにしっかりメモを取っておけば、それを見ながら、あとで作文することができるというわけです。課題１と課題２では、しっかり聞いて、できるだけ正確にメモを取るのがポイントです。

筆記試験が難しい３つの理由

①　3時間以内で4000文字という高い壁。

Celpe-Brasの問題用紙には、下書き用のRascunhoという紙があります。A4サイズに40行の罫があります。手書きでA4サイズの用紙を埋めるためには、何文字くらい書く必要があると思いますか？だいたい1000文字だそうです。1行に25文字書くと40行で1000文字になりますね…。それを4枚です。4000文字の作文を3時間以内に書き終えるというのは、かなり大変な作業です。

もちろん必ず1000文字書かないといけない、ということではありませんのでご安心ください。私が受験したときは700文字くらいしか書けなかった記憶があります。ただし、Celpe-Bras対策の授業では、できるだけたくさん書くように、とにかく文字で用紙を埋めるようにと指導されるようです。たくさん書いた方が良いみたいですね。

②　それぞれの課題ごとに指示に沿った文章を書く必要がある。

下の画像は2019年のTarefa 2の問題です。背景が薄いピンク色になっている文章をご覧ください。作文にあたっての指示が書かれていますね。

指示の内容ですが、まず「あなたは母乳育児を推進するONGのメンバーです」となっています。そして、「聞いた内容に基づいて保健所、産科医院、その他の公共の場所で配るパンフレットを書いてください。」と続きます。パンフレットに含める内容については「母乳育児のメリット、支援ネットワークとは何か、その重要性」を説明するとあります。

整理すると、広く一般に向けた母乳育児の推進パンフレットということになるでしょう。配布場所からすると、出産を控えた、あるいは乳児を育てている母親が主なターゲットであると考えられます。そして、3つのポイントを分かりやすく伝えるような文章が求められているのでしょう。ということは、特定の人を対象とした Prezado senhor(a) から始まる文章ではないことが分かりますね。また、説明するように指示されている3点を見出しにする、などのパンフレット的な書き方をすることも必要かもしれませんね。このように、問題の指示を読んで求められていることを理解して、それに沿った文章を書くというのは結構難しいことです。

③　書き方についての細かな指示がある。

下の画像は2019年の問題用紙の1ページ目にある、解答記入方法の説明です。解答用紙への記入にあたっての全体的な指示が書かれていますね。順番に見ていきましょう。

4. は筆記用具についてとなっています。

黒のボールペンと指定されています。ボールペンで書いて間違えたらどうするの？と思いますよね。修正ペンは使えません…。「修正ペンを使ったり、鉛筆で書いた文章は無効です」とあります。答えは「打ち消し線を使う」です。書き間違えた単語を線で消して、その続きから、正しい単語で書き始めればOKです。一つ注意点もあります。文章が読みにくくなるような打消し線の使い方はNGです。文章のきれいな体裁を損なわないように気を付けましょう。

５. は下書きについてです。

問題用紙集の３、５、７、９ページが下書きのページになっています。下書きするときは、このページに書いてくださいね。

６. は文章の読みやすさについてです。

「文章は読みやすい字で書かれていなければなりません」です。読みやすい字という部分が太字で協調されていますね。

７. 文章のためのスペースについてです。

文章は解答用紙の取り分けられた、それぞれのスペースだけに書いてくださいね。ほかのところに書いても採点されませんよとなっています。

いかがでしたか？このように筆記用具、書き間違えた場合の訂正の方法、読みやすい字を書くこと、解答ようのスペース内に書かないといけないなど、かなり細かい指示があります。その通りにしないと、かなりの減点となるのかもしれませんね…

まとめ　Celpe-Brasの筆記試験はなぜ難しいのか ‐ ３つの理由

１．3時間以内にA4用紙で4枚、4000文字相当の作文をしなければならないから

２．文章の形態、対象となる人、含める内容など、課題ごとに異なる指示に沿った文章を書く必要があるから

３．書き間違えた場合の訂正の方法など、試験のルール通りにしないといけないから

Celpe-Bras 2021 の対策としてできることは、まず、過去問やInepのサイトを見て試験のルールを前もって理解しておくことです。そして、ポルトガル語の作文に慣れることです。手書きできれいな文字で書く練習ですね。過去の問題を使ってひたすら練習あるのみです。いろいろな文章の書き方を覚えておくことも対策になりますね。パンフレット、クレームの手紙、会社の同僚へのメールなどさまざなま形の文章の書き方を抑えておくとよいでしょうね。